はやくもオリンピックロスに陥っている筆者です。
コロナで大変な状況に陥っている人もいる中で、オリンピックなんてするなよ…。
と始まる前までは思っていました。
しかし、始まってしまえば頑張っている選手を応援していましたね。
そんな東京オリンピックを一から振り返ると、やはり「おもてなし」から始まるのではないでしょうか。
2013年に行われたIOC総会で、滝川クリステルさんが行ったスピーチ。
流ちょうなフランス語で行われたスピーチは、各国の心を打ち、オリンピック誘致へ結びつけました。
彼女の「おもてなし」は、当時の流行語大賞にも選ばれ、みんな一度はネタにしたことがあるでしょう。
ここで、改めて「おもてなし」の意味について紹介したいと思います。
おもてなしの意味と語源
おもてなしとは、「もてなし」の丁寧語です。
ざっくりとした意味では、心のこもった待遇や歓待のこと。
その本質は、茶道でも表現される「侘び寂びの心」にあります。
表に出すぎず、押しつけがましくない、相手への努力は日頃の心持ちから培われていきます。
その場にいない相手へ、どうしたら喜んでもらえるかを考え、心をこめて準備することがおもてなしです。
なんだか難しいことを言っているような感じがしますね。
ここでは「おもてなし」も2つの語源から、もう少しわかりやすく紹介していきます。
【裏表なし】
もてなしの語源の一つに「裏表なし」があります。
これについては、少しダジャレのような根拠ですね。
「裏表なしで誠実に人と接する」という意味も含まれているようです。
気持ちよく対応してもらっていると思いきや、裏では下心丸出し。
という状況は確かに「おもてなし」とは言えないでしょう。
【モノをもって成し遂げる】
もてなしとは、千利休の茶の湯や禅の教えとして、平安時代や室町時代にできたとされています。
千利休の残した「利休七則」では、
「茶は服の良き様に点て、炭は湯の沸く様に置き、冬は暖かに夏は涼しく、花は野の花の様に生け、刻限は早めに、降らずとも雨の用意、相客に心せよ」
と記されており、
「無駄を省くため相手の気持ちを考え、本質を見極めた上相手を想いやり、ゆとりをもって、備えを怠らず、全てのお客様に気を配りなさい」
という教えになります。
そのため、ここでいう「モノ」とは、物だけではなく心も必要であるということです。
おもてなしと似ている言葉
おもてなしという言葉ばかりを考えていると、何だかよく分からなくなってきた人もいるでしょう。
私もまさにそのような状況に陥っている気がします。笑
その状況を打破するために、似た意味をもつ言葉を紹介します。
似ている言葉でも、おもてなしとは何が違うのかを知れば理解を深めることができます。
【マナー】
英語のmannersは、行儀作法という意味があります。
もっと深くまで考えると、相手に不快な思いをさせない最低限のルールということです。
厳密にいうと、ルールのように明文化されておらず、守らなかった場合にペナルティがあるわけではありません。しかし、人から嫌われる可能性は格段にあがりますのでマナーを守ることは大切です。
おもてなしとは違って、ある一定の規則があります。
【サービス】
語源である、ラテン語servitusの意味は「奴隷」です。
そのため、サービスという言葉には主従関係が明確にされています。
サービスを受ける側が主、サービスを行う側が従。
語源の通り「お客様に奉仕する」という意味合いが強い言葉です。
また、この人だけのために、という性質は弱いです。
いつでも、どこでも、誰にでも行われる一定の行為であると言えます。
またおもてなしとの大きな違いに、サービスには対価が発生するということです。
【ホスピタリティ】
ホスピタリティとは、サービスよりも利他的な行動です。
報酬や対価に対して行われるサービスとは違い、「この人のために」といった気持ちで行われる行為。
接客業で例えると、雨の日に濡れないよう、袋にビニールをかけてお客様に渡すということです。
雨の日だけに行われる特別なサービスは、ホスピタリティと言っていいでしょう。もっと広く言えばビジネスにおいて「この人」「この時」「この場」へ対価を求めない自発的な行為ですね。
東京オリンピックでのおもてなし
おもてなしについて、何となくつかめてきたでしょうか?
改めておもてなしについて調べると、奥が深いような気がしてきます。そんなおもてなしを身近に感じてもらうために、東京オリンピックで行われたおもてなしの数々を紹介します。
【WifiのIDがSushi2020】
東京オリンピックの移動には、選手や関係者はバスを使用していました。
その車内に設置されていたWifiのIDには「Sushi2020」が設定されていたのです。
寿司といえば、日本のソウルフード。
外出禁止の中、少しでも来日してくれた人を楽しませようという気持ちが伝わってきます。
【コーヒーカップに日本語で名前を書いてくれた】
スターバックスコーヒーでカップに名前を書いてくれる店員さんっていますよね。
私も一度だけ書いてくれたことがあったのですが、英語で書かれていました。
このオリンピック時、外国人の方には名前を日本語で記載してあげていたそうです。
カタカナで書かれた自分の名前を嬉しそうにSNSであげているのを見るとこちらも嬉しくなりますね。