5月5日のこどもの日といえば、鯉のぼりと柏餅とちまき。
童謡「背くらべ」の歌詞にも、ちまきが登場します。
本能寺の変で一躍有名になった明智光秀の好物も、ちまきだったと伝わっています。
こどもの日にちまき?柏餅じゃないの?
と首をかしげている人は、ぜひこの記事をご参照くださいね☆
ちまきって何だろう?
ちまきは漢字で「粽」と書きます。
もち米や米粉などで作った餅を三角形にし、笹の葉で包んだ食べ物です。
餅を包むのは、チマキザサと呼ばれる笹の葉で、団子や羊羹を包むときにも使います。
形はおにぎりのような三角形と、細長いスリコギのような形が一般的。
味はウイロウのような甘いちまきもあれば、おこわのような中華ちまきもあります♪
こどもの日とちまきの関係
男の子がいる家は、こどもの日にこいのぼりを飾りますね。
こいのぼりの一番上にある、5色のヒラヒラした布は吹き流しといいます。
この吹き流し、実はちまきと関係があるんです。
中国ではちまきを、邪気を払う5色(赤・青・黄・白・黒)の糸で縛っていました。
やがて日本では、こどもの無事な成長を願い、同じ5色を使った吹き流しを飾るようになったんです。
ちまきの由来
ちまきは、中国の屈原(くつげん)という武人が、5月5日に川で命を落としたことから始まります。
哀しんだ人々は、屈原の命日に、供物としてもち米を水面に投げて供養しました。
ところが、ある村人の夢枕に屈原が現れ、供物が届く前に龍にとられてしまうと告げたのです。
龍に横取りされないために、龍の苦手な葉っぱでもち米を包み、5色の糸で縛って流しました。
そのお陰で、無事に供物が屈原の手元に届いたことがちまきの由来と伝えられています。
中国広し!部族で異なるちまきの種類
そんな中国は、広大な土地で今も色々な部族が生活しています。
そして部族によっても、ちまきの形や製法が異なるんです。
・チワン族・・・枕のような大きな形が特徴で、もち米のほかにバラや緑豆などが入る
・ヤオ族・・・円筒形のちまき。赤砂糖や餡を使うなど甘いものもある
・シェ族・・・肉やナツメを笹の葉で包む。四角形。
・トン族・・・五彩ちまき。植物で黒・紫・黄・赤の4種の汁で白いもち米に色を付ける
・タイ族・・・もち米文化があり、ちまきは日常的に食す
さすがは広い中国、所変われば品変わるですね。
日本のちまきの歴史
そんな中国から、ちまきと端午の節句が伝来したのは、なんと平安時代!
和名類聚抄(わみょうるいじゅしょう)という、平安時代に作られた辞書や、伊勢物語に登場しています。
和名類聚抄では、ちまきではなく「和名知萬木」と書かれています。
ちまきの原型で、もち米を植物の葉で包み、灰汁で煮込んで保存食として用いていました。
伊勢物語には、粽(ちまき)と一緒に菖蒲の記載があります。
端午の節句に菖蒲湯に入ったり、ちまきを食べたりと、伝統が受け継がれているなぁと感じますね♪
ちまきを食べない地域も!
あれ?こどもの日は、柏餅を食べるけど・・・。
という方は、関東圏で育った方ではありませんか?
実は、こどもの日に食べる節句料理は、関東では柏餅、関西はちまきが多いんです。
江戸時代に端午の節句が五節句として定められ、江戸庶民は縁起の良い柏餅を食べるようになりました。
五節句って何?という方は、こちらの記事も参考になさってくださいね。
ですが関西では変わらず、ちまきを食べていたんです。
ちなみに、地域によってもちまきの中身が変わります。
関東から北はおこわ、中部から西日本は甘い団子、鹿児島県では灰汁巻きになります。
もち米や灰汁を使うところは同じですが、地域の違いをみると、日本も意外と広いなぁと感じます。
こどもの日のちまきの作り方
ちまきの由来や歴史について学んだら、一度作って食べてみましょう!
材料と作り方をご紹介します。
和菓子 編
【材料】
・上新粉:50g
・砂糖:25g
・水:55g
・笹の葉(乾燥したもの)
・イグサまたは紐状のもの
・あんこ(お好みで)
【作り方】
①笹とイグサを茹で、灰汁抜きをする
②上新粉、砂糖、水をボールに入れ、泡だて器でよく混ぜる
③ラップをして500wのレンジで1分加熱する
④一度取り出し、ゴムべらでこねて、再度500Wのレンジで1分加熱する
⑤その間に、笹とイグサを水に浸し、冷ましておく
⑥レンジから取り出し、濡らしたゴムへらでよくこねる
⑦硬さをみながら、柔らかければ、さらに500Wのレンジで30秒加熱する
⑧手に水をつけて、餅を等分し、好きな形に成形する
⑨笹の葉でつつむ
⑩イグサか紐や糸で結んで完成☆
おこわ 編
【材料】
・米:2合
・水:適量
・酒:大さじ1
・醤油:小さじ1
・鳥ガラ調味料:小さじ1
・おかき:ひとつかみ(表面が隠れる程度)
・鶏モモ肉・しいたけ・たけのこなど(お好みで)
・笹の葉
・イグサまたは紐など
【作り方】
①米を研ぎ、吸水させる
②入れたい具を一口大に切る
③米と具、水と砕いたおかき、鶏ガラ調味料などを入れる
④普通に炊飯する
⑤炊きあがったら蒸らし、お好みの形に成形して笹の葉でつつむ
⑥イグサまたは紐などで縛って完成☆
おかきを使うと簡単におこわ風に仕上がるのでおすすめです♪
子どもと一緒に作って食べよう
端午の節句は、子どもの成長を願ってお祝いをする日。
晴れの日の節句料理は、子どもと一緒に楽しく作って思い出を作りましょう♪
親子仲良く、ちまきをつつんで、ちまき食べたーべ…♪と歌ってみてくださいね。