お祭りに行くと無条件にテンションが上がるものです。
祭りの場所の空気感に自然と気分が高揚してきます。
盆踊りのリズムや花火、祭り囃子を聞くだけで楽しくなるDNAを日本人は持っているのでしょう。
加えて、わんぱくな食欲を掻き立てる食べ物や子供心を揺さぶる出店もお祭りの魅力の一つです。
若かりし時の青春の1ページとして祭りが舞台になった方も多くいます。
そんな祭りには地域性が垣間見えるものです。
地域によっては特別な踊り、音楽や祭りの出し物を行うこともあります。
これにより地域の祭りはそれぞれに地域性という異なる特徴持っているといっても過言ではありません。
そんな祭りの中でも一際目立つ、「全国区」の有名なお祭りが存在します。
本記事では全国において「勇敢さ」、「男らしさ」を象徴する、だんじり祭りについて説明します。
TVなどのメディアで一度は耳にしたことのある祭りでしょう。
そんなだんじり祭りのはじまりや基礎知識について簡単にご説明します。
だんじり祭りの基礎知識!!
まずはだんじり祭りについてあまり知らないあなたのために、「だんじり」とは何かを説明します。
【「だんじり」って??】
だんじり祭りにおける、「だんじり」は「地車」と書き、祭りに使う神輿を乗せた車のようなものを指します。
もともと全国の祭りで使われていた「山車(だし)」という、派手な装飾や太鼓を持った車が西日本の方言によって「だんじり」に訛ったと言われています。
もちろん、だんじり祭りにおいてもこのだんじりを人力によって動かして、街中を駆け巡ります。
全て人力において動かすので、それぞれ異なる操作を担う役割がいくつか存在します。
◎引き手
まずはだんじりの動力源となる人々が「引き手」です。
だんじりの前面に大きな縄が結びつけられており、それを引くことによって進みます。
だんじりは車輪がついていますが、かなりの重量のものです。
これを人力で引くだけでも重労働になります。
◎前梃子(まえてこ)、後梃子(うしろてこ)
だんじりの前後にはそれぞれ二本ずつ棒が突き出ています。
この二本の棒を左右に操作することによってだんじりの右左折を可能にします。
まず前梃子(まえてこ)は、前方の棒を担当する人になります。
前梃子の役割は曲がる方向への方向付けやブレーキの役割を担います。
主に二人で行うことが多く、息を合わせてだんじりにかかるエネルギーを誘導します。
次に後梃子(うしろてこ)は後方の棒を担当する人になります。
後梃子の役割は右左折時に遠心力を起こしてだんじりを曲がらせる役割です。
主に5−6人で行うことが多く、進行中のだんじりにしっかりついて行くことが必須です。
◎大工方(だいくかた)
大工方はだんじりの上に乗って、引き手等に指示を出す役になります。
引き手の音頭をとったり、曲がるタイミングを指示する重要な役割です。
しかも移動するだんじりの上に乗るので、危険が常に付き纏います。
勇気と冷静さが必要な役割です。
だんじり祭りの歴史と見所
それではだんじり祭りの歴史について説明します。
【だんじり祭りのはじまり】
だんじり祭りで最も代表的な「岸和田だんじり祭り」は約300年の歴史を持っています。
その始まりは岸和田城三代目城主の岡部長泰公が1703年、三の丸に神社を建立して伏見稲荷への一般人の参拝を許可したことがきっかけです。
この参拝許可に際して、豊穣を祈願し、様々な催し物が行われました。
この時に登場しただんじりの原型は、木箱に車輪をつけたシンプルなものでした。
この木箱の上で太鼓や笛などを演奏して盛り上げたようです。
江戸時代という時代背景もあり、派手な装飾や大騒ぎするようなことは禁止されていました。
【戦後から今のだんじり】
その後、戦後になり、復興の勢いの中でだんじりも驚くべき進化を遂げました。
補正された大きな道路や鉄製の車輪パーツの普及により、だんじりの操作性や速度が格段に上がったのです。
それにより、「やりまわし」と呼ばれる、だんじりの豪快なコーナーリングが行われるようになりました。
今や「やりまわし」はだんじり祭りの醍醐味となっています。
そして今のだんじり祭りのような、猛スピードでのだんじり行進、やり回し、熱狂的な声援といった盛り上がりのあるものになりました。
この盛り上がりが各メディアで取り上げられ、「全国区」の知名度になって行きました。
だんじり祭りをよく知り、よく見よう!!!
多くの人を集める一方で、課題も抱えています。
それは治安や安全面での課題です。
多くの人々が押し寄せる祭りにおいて、トラブルはつきものです。
また、高速で移動するだんじりにも過去に事故が多くありました。
岸和田の地元の方は、ほぼ総出でお祭りの運営に関わっています。
だんじりの安全点検も定期的に行われ、治安や安全面もかなり改善されてきました。
これほど長い歴史をもつ、熱狂的なお祭りはかなり貴重なものです。
ぜひ末長く伝統が続いて欲しいですねッ!