風物詩

今さら聞けない風物詩の意味!日本人なら知っておきたい言葉の意味

2021年度の京都薪能は中止になりました。

このことを紹介したテレビの出演者が「京都の風物詩ですよね、残念です。」と言っていました。

平安神宮でやるなんて、さぞかし歴史のある催し物なんだろうなと思って、京都薪能について調べたんですが、あれ?昭和25年第一回開催?昭和!?ということはその歴史は70年ほど?

70年が長いか短いかは一概には言えませんが、思ったより最近始まった催し物なんだなと感じました。

京都に都が出来たのが794年で、そこから今まで1200年以上の歴史があるわけですし、能だって遡れば1300年位前に中国から伝えられたとされています。でも京都の風物詩なんですよね…?風物詩って、なんとなく古くて伝統的なもののことを言うのかと思っていましたが、どうやらそういう訳でもないようです。

では、

風物詩の意味って?
そもそも風物詩の語源はなんだろう?
どういうもののことを風物詩って言うの?

色々な行事が中止されて風物詩が見れない今、改めて風物詩という言葉を解説します!

風物詩ってどんな意味?語源は?

風物詩1風物詩という言葉を分解して意味を考えてみます。

この言葉は「風物」と「詩」に分かれます。

「風物」には、「目に入る風景」という意味と、「土地や季節に特有のもの」という意味があります。

また、「風」の字そのものにも、習慣、習わし、様式などの意味があります。「和風な音楽」とか言う時の「風」がそうです。

そして、「風」の文字には自然現象の「かぜ」の他に、物事が纏う雰囲気を表す意味がありそうです。

「詩」は、言わずもがなですが、文学の一つです。

つまり、もともとは風景や季節を歌った詩のことを「風物詩」と言ったようです。

「詩」はただ単に現象を文章表現しただけでは成り立たず、美しいものや心に残ったものを短い韻文で表した文学です。

そしてそこから転じて、文学にとどまらずその季節や土地のことをよく表し心に残るもの、その物のことを風物詩と言うようになったようです。

つまりは、風物詩の意味としては、「詩的なほど心に残る、その季節・土地でしか見ることの出来ない物事」といった感じでしょうか。なので、歴史的な深さはあまり問われないようです。最近の行事かなって思ったんですが、京都薪能も京都の風物詩ですね!

また、風物詩は季節や土地の物事を表しますが、詩的な物です。なので、あまり悪い印象のものを風物詩とは言いません。

たとえば、スギ花粉症は毎年春に必ず話題になりますし、夏への変わり目に増える熱中症も天気予報などでたびたび注意喚起されますが、鼻水も脱水症状も風物詩とは言いませんね…。

風物詩にはどんなものがあるの?

風物詩2では、どんな物のことを風物詩と言うか、ちょっと調べてみました。季節を表す物なので、季節ごとにとても沢山あります。ここでは一部ご紹介します。

その季節が盛りで見頃になる草花や、生物

・春:チューリップ、桜、菜の花、蝶、ツバメ
・夏:朝顔、ひまわり、カブトムシ、金魚
・秋:紅葉、ススキ、コスモス、コオロギ、鈴虫
・冬:寒梅、寒椿

盛りを迎えた草花の美しさは、その季節を象徴しますね。

その季節の文化など

・春:入学式、お花見、ゴールデンウイーク
・夏:花火大会、海水浴、打ち水
・秋:お月見、運動会、文化祭
・冬:クリスマス、焚火、スキー、イルミネーション

行事がやってくると、季節の移り変わりを強烈に感じますね。

時代を象徴する風物詩

風物詩3ここでもう一つ。草花や文化以外に、時代にも風物詩があります。

例えば、昭和の風物詩というと、路上で遊んでいる子供たちとか、蚊帳とか、ダイヤル式黒電話などです。

その時代を生きている人にとっては当たり前に身近にある物ですが、ほとんどお目にかかれなくなった現代から見ると、ちょっと素敵な詩的な風景に思えます。

時代の風物詩というとやはりその時代を象徴しているもの、その時代の空気感を色濃く映している感じの物になると思います。

では、時代が進んだら、令和の風物詩になりそうなものはなんでしょう…。

町の人がみんなスマートフォンを見てる風景とか、後々の人からしたら「令和の風物詩」になるかも知れません。想像してみるとちょっと楽しくなりますね♪

風物詩が変わっていく?

風物詩4スポーツの日が10月の第1土曜日に制定されているとおり、運動会はだいたい秋に行われます。

ですが、近年では運動会を春に行う学校も増えてきているのです。

これは、秋は台風が襲来し予定通り開催できなくなる可能性があることや、秋でもまだ残暑が厳しく、熱中症等の危険があることが原因のようです。

確かに年々残暑が厳しくなってるなーと思い、気象庁のデータを見たところ、東京の日平均気温の月平均値は、1875年が15.3度→2019年が19.4度に上昇していたのです。

その差4.1度!平均気温なのでその前後の年でもかなりバラつきはあるのですが、気温が上がってきていることは確実です…。

もしかしたら、運動会が秋の風物詩ではなくなる日も近いかも知れません。

風物詩の意味は変わらなくても、風物詩自体はこれからどんどん変わっていきそうですね。

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