某番組内で「あ、犬!」と発言し、ネット炎上したことが話題となりました。
番組を見ていない方や、経緯を知らない方は、どうして炎上したの?と疑問に思うでしょう。
「あ、犬!」という言葉は、アイヌ民族の紹介VTRの締めとして発した言葉だったのです…。
そこで今回は、アイヌと犬、そして何故この発言が差別や侮辱だと問題になったかをご紹介します☆
アイヌとは?
アイヌ犬を知る前に、アイヌについて知っておきましょう。
アイヌは一般的に、北海道の先住民族として知られています。
日本は2019年に、アイヌ民族は「日本列島北部周辺、北海道の先住民族」と認定しました。
現在の北海道、東北北部、樺太、千島列島あたりですね。
アイヌの民族衣装は毛皮や草木などから作られ、独創性と機能性に長けた衣装はとても素敵です。
また、文様や言葉や歌、踊りもアイヌ民族ならではの歴史が受け継がれています。
アイヌ犬は実在する犬
アイヌ犬は、実は「北海道犬」のことなんです。
もともとアイヌの方々が飼育していた日本犬種で、マタギ犬(狩猟犬)と呼ばれることも。
携帯電話会社のCMで起用されていた白い犬も、北海道犬です♪
日本の原種で希少なため、天然記念物に指定されています。
柴犬より大きい中型犬で、高温多湿に弱いのが特徴です。
なぜ「あ、犬」(アイヌ・犬)が問題となったのか
某番組で、謎かけの答えに「あ、犬!」と発言したことがネット炎上につながりました。
(謎かけではありますが、某番組は「笑点」ではありません)
発言の直後「この作品を見てアイヌの美しさを堪能しよう」と言っています。
知識不足ではあったものの、悪意はなかったと思われます。
その芸人さんは、炎上後、すぐに自分の公式ツイッター等で発言について謝罪しました。
問題は、収録であったにも関わらず、テレビ局のチェックをすり抜けて放映されてしまったことです。
テレビ局側のアイヌ民族に対する認識やチェックが甘い!ということが問題視されたのです。
決して、アイヌ犬(北海道犬)が問題となった訳ではありません。
その後、炎上を受けて番組側が正式に謝罪しました。
アイヌは「人間」を意味する言葉
そもそも、アイヌはアイヌ語で「人間」を意味する言葉です。
アイヌ民族の考えには、万物に心が宿るという考えがあります。
「八百万の神」という言葉があるように、自然の物には心や神が宿るという尊い信仰心です。
アイヌ(人間)とかけまして「あ、犬!」という謎かけは、配慮が欠けた発言でした。
犬が悪いわけではないのですが、犬にまつわることわざや言葉は、良い意味があまりないからです。
犬に関することわざや語句
一例をあげてみますね。
・犬も歩けば棒にあたる
・犬も食わない
・負け犬の遠吠え
・犬に論語
筆者が思うには、犬だけでなく、猫や他の動物にも似たようなことわざや語句があるんですよね。
・猫に小判、豚に真珠、馬の耳に念仏
・ネコババ
・どろぼう猫
・借りてきた猫
・カラスの行水
・狸寝入り
など、人間の身近にいる動物だからこそ、このような表現が生まれたのかもしれません☆
あ、犬!発言で炎上した人物は誰?
筆者は、この炎上したニュースを知る前から、Youtubeでこの芸人さんを見ていました。
「脳みそ夫」という方で、太田プロ所属の芸人さんです。
Youtubeでは、OL聖徳太子や、武士ガール、縄文ガールなどに扮して動画を投稿しています。
発想がユニークで、動画内では歴史の教科書に登場する語句がたくさん登場します。
遣隋使、高句麗、徳川家康、など々。
時には、現在の教科書には載っていない言葉が登場し、時代の流れを感じることも。
現在はすでに「聖徳太子」ではなく「厩戸皇子(うまやどのおうじ)」ですし…(笑)
「鎖国」も、「いい国つくろう鎌倉幕府(1192年)」も、やがて通じなくなる世代が現れるのでしょうか。
マタギとは?
アイヌ犬(北海道犬)は、マタギが飼育していたという説があります。
マタギは「狩猟を専業とする」人のことで、現代では鹿や猪なども狩っています。
ときにはヒグマを狩ることも!
近年、北海道に訪れた観光客が、ヒグマや野生動物に餌を与え、問題になっています。
ヒグマはツキノワグマより体が大きく、俊足の動物。
人間から餌をもらい、簡単に餌が手に入ると学習すると、民家を襲うこともあるのです。
恐怖!三毛別羆事件
1915年(大正4年)「三毛別羆事件(さんけべつひぐまじけん)」という、惨劇が起きました。
あまりにも凄惨な事件で、一言では語りきれないため割愛しますが、Youtubeで多数紹介されています。
この事件では、アイヌ犬10頭以上が活躍しました☆
北海道に行く機会があれば、ぜひ「三毛別羆事件復元地」を訪れてみてください。
アイヌの歴史を学ぶきっかけに
アイヌという言葉は知っていても、アイヌの歴史や文化はあまり知らないという方もいることでしょう。
カタカナや耳慣れない言葉も多いですが、美しい風景や文化、知らなかった歴史などに触れる機会です。
脳みそ夫さんも、アイヌの歴史伝道師になれるほど勉強して、動画でアイヌの魅力を伝えて欲しいですね☆